第75回 2019年3月11日
テーマ:「トプカプ宮殿とチューリップ文化:『トルコ至宝展』を記念して」
講師:ヤマンラール水野美奈子氏
会場:トルコ大使公邸
2019年3月11日、トルコ大使公邸にて、「トルコ至宝展 チューリップの宮殿 トプカプの美」開催を記念し、「第75回トルコの夕べ」を開催しました。
冒頭の小林会長、名誉会長のメルジャン大使のご挨拶に続き、オスマン美術の研究者で本展を監修したヤマンラール水野美奈子先生による同展のみどころの紹介がありました。
水野先生によると本展は、「トプカプ宮殿とスルタンの栄華」「オスマン帝国におけるチューリップ文化」「オスマン帝国末期の日本とトルコの交流:日本からの贈呈品の里帰り」の3部構成。
トプカプ宮殿は、スルタン・メフメト2世(在位1444〜46年、1451〜81年)の時代、1478年に建てられたトルコ最大の都市イスタンブルにあるオスマン帝国時代の宮殿で、当時からチューリップの品種改良と栽培が行われていました。後のスルタンもチューリップを好み、また、チューリップの形やアラビア文字での綴りから、チューリップはオスマン帝国において信仰心と先祖から伝わる民族的象徴を表すものとして人気を博し、オスマン文様のモチーフとして盛んに取り入れられました。後世の歴史家が1718〜30年を「チューリップ時代」と名付けたほど、チューリップは大ブームとなったのだそうです。本展ではそんなオスマン帝国時代の数々の宝物が展示されます。
もうひとつのみどころは、トルコと日本の交流に関係する品々です。日本から19世紀末以降にトルコへ贈られた品々が公開されます。
満席の会場では、参加者の方々が一様に前方のスライドに集中して解説に耳を傾ける姿があり、熱気に包まれていました。
講演後はサロンに会場を移して懇親会を開催。荒木副会長の乾杯の挨拶とともに皆で杯をあわせたのち、大使公邸のシェフが腕によりをかけた美味しいトルコ料理が、トルコ産ワインと共にふるまわれました。トルコ古典楽器「ネイ」の生演奏が流れる中、参加された方々同士の歓談も弾んでいるようでした。中締めを釜副会長が行い、懇親会はなごやかに終了しました。
本会には7社のプレス取材が入り、約80名の参加者がありました。法人会員で本展主催の日本経済新聞社、同協賛の日本製粉社からは参加者の皆様全員にお土産のご提供いただきました。
(対象:日本・トルコ協会 役員、法人会員、個人会員)